多様性の科学
学問のすすめ
●学問には目的がある
- 人は同じ権利を持ち身分の上下はなく生まれているはずなのに、格差が存在する
- 格差は学問ができるかどうかの違いで生まれる
- ここでいう「学問」とは普通の生活に役立つ実学のこと
- 「自由」と「わがまま」の境目は他人に害をあたえるかどうかの違い
- 自分のお金で好き勝手やれば他人に害を与えることはないという考えは違う。その行動を他人が真似してしまうと全体に悪い影響が及ぶ。
- 自由独立は個人だけではなく、国にとっても大事である
- 全員が地球市民であり、学びあい、助け合いを行う必要がある
- 他国からやられてしまうような場合には命を投げうってでも威厳を守るようにすることが、一国の自由独立ということ
- 身分によって格差は生まれないが、その人の才能や社会的役割によって位がきまる
- 政治家や官僚を軽んじないことはその人の身分が偉いからではなく、国の法律を扱う仕事をしているから。
- 個人ではなく法律が尊いということ
- 政治家や官僚を軽んじないことはその人の身分が偉いからではなく、国の法律を扱う仕事をしているから。
- 政府に不満があれば抗議の手段をとって遠慮なく議論をするのが筋である
- 自分の一命をかけて争うことは国民のなすべき義務である
- よい民の上にはよい政府があり、愚かな民の上には厳しい政府がある
●人間の権利とは何か
- 学問とは教養をつけることで物事の道理をつかみ、人としての使命を知ること
- ただ本を読んで知識をつけても実際に行動するための経験などを身に着けていなければ意味がない
- 中国の歴史を学んでも、現在の日本の米の値段を知らないのは実生活の学問に弱い人間
- 実生活も学問であり、実際の経済や流行も学問である
- 政府は悪人を罰し、善人を守ることが「商売」だが、政府には金もないので国民から税金を出してもらって補うことで、双方相談を取り決めた。
- なので、国民は税金を払って法律を守れば社会的責任を果たしているといえるし、政府は税金を正しく使い、国民を守れば責任を果たしたといえる。
- 日本にいるものは日本の法律に従うことを約束している
- 法を守らず、食って寝るしかできない「バカ者」には、道理をもって扱うことができず、暴力的に解決するしかない
- もし暴力的な政府を避けたいのであれば、自分の才能や人間性を高めて、政府と同等の地位にのぼるようにしなければならない。これが学問をすすめる理由
➌愛国心のあり方
- 国同士も個人と同じく対等である
- 国民に独立の気概がなければ一国が独立する権利を十分に展開することができない
- 独立とは自分を自分で支配し、他人に依存する心がないこと
- この国に住み、寝て、食べてということは自由にやる権利がある。そしてその権利がある以上、それに対する義務がある
- 国内で独立した立場を持っていない人間は外国人と接するときも独立の権利を主張することできない
- 独立の気概がないものは人の権威をかさに着て悪事を働く
- 独立の気概がないものは扱いやすくて便利といって油断してはならない
- 国民を束縛して政府がひとり苦労して政治をするより国民を開放して苦楽を共にした方がよい
❹国民の気風が国をつくる
- 国を整備して充実させていくのは国民と政府が両立して初めて成功することである
- 国民が政府の働きに任せて何もしなくなれば独立は1日ともたない、何事もバランスが必要なのである
- これまで政府は日本を良くしようとしていたが、国民の無知によって成長できなかった
- 優秀な人も気風に縛られて仕事がうまくできない
- 国民の気風を一掃するには、自分自身で事業を興し、国民の手本となる人物が必要
- 政府は命令する力があるだけ。諭したり、見本をみせたりするのは民間でやることなのである
➎国をリードする人材とは
- 日本がこれまで独立を失わなかった理由は、鎖国などで外国と交わることをしなかったから。
- 外国との交友関係ができた昨今、その文明の差が開いていることが顕著に表れる
- 「文明」は、形のあるもので評価されない
- 学校、軍隊、工業などは金を出せば作れる
- 「人民独立の気概」こそが真の文明精神である
- 今までは政府がすべてを決めて、人民はそれに従うだけだったので、現在のような日本の気風がある
- 「形としての文明」は進歩してきたが、真の文明である「人民独立の気概」は退歩し続けている
- 国の文明というのは「上の政府」からではなく、「下の庶民」からではなく、中間から興るもので、庶民に向かうべき方向を示し、政府と並び立ったところで成功を期待すべき
- 海外での鉄道や商売の方は学者や経営者が発展させてきた
- 文明を行うのは人民であり、政府はそれを保護するのが役目である
➏文明社会と法の精神
- 個人で悪人と戦うのはコストがかかりすぎるので、国が代理で善人の保護をするようにしたのは政府と国民の約束である
- よって国民は政府の方に従うというのも約束であり、政府が作った方に従うのではなく、自分たちが作った方に従うということである
- 国民は悪人を裁く権利を政府に委託する約束をしているのだから、自ら悪人を裁くことがあってはならない
- 本人にとって親が殺されたといっても国からは「人を殺した罪人」として裁くのであって自分で罪人に手を出してよい道理にはならない
- 不便な法であっても、厳格にその方を遵守しなければならない
➐国民の二つの役割
- 国民には「客の立場」と「主人の立場」の2つ役割がある。
- 会社と同じようなもので、100人で会社を作ってルールを作ったのであれば、ルールを作った100人は主人といえるし、ルールに従う100人は客であるといえる
- 税金を払うだけで、政府から保護をもらえるなんてお得なことはない
- ダメな政府だった場合、「身を犠牲にして正義を守る」というのが上策
➑男女間の不合理、親子間の不条理
- 人間には心身の自由があり、下記の五つを操ることができれば個人として自立することができる
- ①身体を使って目的を達成する
- ②知恵を使って道理を発見する
- ③人間は欲を持っていて、欲のために働く
- ④人間は他人に害を加えないように欲を抑制する良心をもっている
- ⑤人間は意思をもっていて、すべては意思から生まれる
- 独立とは孤独ということではないし、友人は必要
- 人間であることの分限を間違えずにいれば、他人に何かを言われる筋はない。
- 腕力で勝負すれば男が勝ち、女が負ける。これが男女の違いであって他に違いはない
- 親孝行は自然な誠実さで行うことで、親が強制することではない
➒よりレベルの高い学問
- 人間の心身の働きは「一個人としての働き」と「社会的交わりの中での社会人としての働き」に区別する
- 「一個人のとしての働き」は衣食住の満足を得ること
- 仕事をしながら周りに迷惑をかけずにそれなりの衣食をして家を建てて子供を育てて・・・といった人生はただ生きただけで、動物と同じなのではないか?
- 人間は社会的動物で、広く他人と交際することで幸せを感じながら人間社会が生まれた。そして、社会の一員となったからには、それに対しての義務がある
- 土地や財産などは使ったらなくなってしまうが「文明」は世界中の過去の人々が私たちに残してくれた遺産であって、土地や財産などとは比べられない価値がある
- 現代人は過去の人々から文明の遺産を受けた最前線にいるのだから、その限界を作ってはならない
- 私たちの仕事というのは、生きた証ということを残して、それを長く後世の子孫に伝えること
- 勉強して稼いで結婚して・・という人生は他人に害さないだけで、他人にプラスになるようなモノではない
➓学問にかかる期待
- 現代の学問は少し勉強すればすぐにお金に換えられる職に就くことができるので、レベルが低くなっているのではないか?
- 衣食住を他人に頼らず生きるのは「内での義務」であって、日本の独立に対して努力する「外での義務」どちらも果たして独立した日本人といえる
- 事業は国内の仲間ではなく、外国と争うものである
- 早く働いて小さなお金を稼ぐよりも、倹約しながら大成するときを待った方がよい
⓫美しいタテマエに潜む害悪
- 8章で述べた「名分」による差別は必ずしも悪意のある考えから生まれたものではない
- 親子関係のように「愚かな善人(子供)」を目上の人が従わせて様々なことで幸せにしてやろうという考え
- 「名分」は愛や年齢差があるから機能するのであって、理想的な考えではあるかもしれないが、大人同士では実行不可能である
- 「世の中の人間は善人でコントロールしやすい」と勘違いしているから、「名分」は頼りにならない。結局は飼い犬に手を嚙まれて終わる
- 「名分」は中身がない議論だが、「職分」に代用することで議論ができるし通用する理屈
⓬品格を高める
- 考えていることを多くの人に伝えるには、その方法がおおいに関係している
- 実際の生活に活かせない学問は学問でないことに等しい
- 人間の品格を高めるためには、物事のようすを比較しながら上を目指し、自己満足しないことが大事
⓭怨望は最大の悪徳
- 欲張り・ケチなどは金を好む心の働きで、ただちに欠点としてみることはできない。道理をはずれなければ倹約や経済的といって美点にもなる
- 他にも欠点を一概に欠点と決めつけることはできないが、唯一「怨望」は誰の得にもならない欠点といえる
- 「怨望」は言論や行動の自由といった人間本来の自然の働きを縛られたときに生まれる
- いかに貧乏で地位が低くても、理由を理解することができれば他人をうらんだりなどしない
⓮人生設計の技術
- 人間は賢い人でも計画通りにいかないし、失敗するものである
- 自分の失敗を続けないために、定期的にうまくいっているかいないかといった心の棚卸をするべき
- 「保護」と「指図」の両方一緒のものだ
⓯判断力の鍛え方
- 疑うことで心理にたどり着ける
- とはいっても物事を軽々しく信じたり、疑ったりするのはよくないから判断力が必要
⓰正しい実行力を身に着ける
- 他人の働きに口を出すのであればその立場になってやってみるのがよい
- 同じ立場になるのが難しいのであれば、なぜ難しいかをよく考えることが重要である
⓱人望との付き合い
- 富豪の帳簿をみればマイナスになっていることもある。それは無一文の乞食よりも金を持っていないということになるが、実際に低い立場にあるわけではないのはその人に人望があるから
- 人望とは腕力や財力ではなく、その人の知力や正直な心で獲得していくものである
- 栄誉や人望は努力して求めていくべき
- 自分の力を世の中に広めるためには下記の三点が必要
- ①言葉での伝え方を学ぶ
- ②見た目の印象をよくする
- ③交際をどんどん広げる
インビジブル・インフルエンス
●はじめに
- 人の行動は99.9%他人の行動によって方向づけられている
- 人は、「他人には社会的影響力が関係している」と思っても自分には関係のないことだと感じてしまう
- より多く目にした人の方が魅力的に見える
- 大学の授業で同じクラスの子と、そうじゃない子では同じクラスの子の方が人気だった
- マイナス意味の単語を目にした後に文章を読むと、文章がマイナスなイメージになる
➊まねが生み出す同調の力
- 答えが明らかな場合でも人は他人の真似をしてしまう
- 集団でいるときは答えが明白な場合でも間違った答えに流されてしまう
- 流されてしまった後もその答えが正解なんだと信じ込んでしまう
- 生まれ育った環境や周りにいた人々が自身の言葉からふるまいまであらゆるものを規定する
- なぜ他人に同調してしまうのかは「他人を情報源として利用した方がコスパがいい」から
- ペットと同じ犬種を飼っている人に聞けばペットフード選びに役立つ
- 集団の一員であるため
- 自分がデザートを頼みたくても周り全員がいらないといったら頼まない
- 人は自分と同じ見た目の人を好きになる
- 自分の感情は独立していない。周りが楽しい話をすれば楽しくなるし、悲しい話をすれば悲しくなる
- 夫婦は同じ感情を長い時間共有することで顔が似てくる
- 人の喋り方や動きを模倣することで信頼関係を作ることができる
- 交渉の実験では模倣したグループの方が5倍もよい交渉を行えた
- 専門家でも良い作品を見分けることができない
- ハリーポッターは最初どの出版社も扱わなかった
- ヒットは質もあるが、場合によっては運と群衆が決める
- 音楽の実験では、最初に聞いた数人の評価が、後の多数の評価に影響する
- 賞罰は短期的には有効だが、本質的な解決にはならない
- 野菜を食べたらお菓子をあげるという教育をした場合、野菜はよくないものという扱いになってしまう
- 親が美味しそうに野菜ばかりを食べていれば、子供は野菜を好んで食べるようになる
- ウェイターが客の注文を繰り返すだけでチップが70%増えるという調査もある
- 会話だけではなく、メールにおいても相手の言葉やしぐさを自分も使うだけでスムーズに進めることができる
- 集団の意思決定では、「グループシンク」といって集団の中で調和を求める気持ちにより、よくない意思決定をしてしまうことがある
- 影響力に左右されないためには意思決定は一人で行うのがよい
- 会議は投票形式または事前にそれぞれの意見を個別に聞くことでさまざまな意見がでる
➋その違いが決定的
- トップアスリートは兄弟の2番目以降が多い
- 同じ競技をしているとは限らない
- 兄弟がいることで、模倣と差別化が促進される
- ほとんどの人が自分一人だけで何かをするのは嫌だと思うが、あまりに同じことをする人が多いと、次に進んで別のことをしたくなる
- 好きなアーティストが大人気になると、「昔の方がよかった」という
- 人は何かを選ぶときに、他人とは違う感じを出そうとする
- 人と全く同じの服装になったら気まずい
- 実用性を感じなくても最新のツールを手に入れようとする
- 「違い」は何かを定義づけるものとして価値が高い
- 大人になるとは「自分を定義づけること」
- SNSのプロフィールに職業や主張、役割を書いたりする
- 反抗期は親とは違う人間になるために、自分らしさを手に入れるために反抗的になる
- 人は他人とは違うところに目を向けて「自分は人とは違う」と思いたがる
- 同じ種類のバッグを持っていても、「色が違う」「素材が違う」という
- 人と違うことを「好む層」と「好まない層」がある
- 労働階級の人々は人と同じになることに抵抗がない
- 社会経済学的なステータスではなく、文化によっても変わる
- アメリカのことわざに「きしむ車輪は油をさされる」とあるが、日本のことわざは「出る杭は打たれる」と反対の意味になる
- 個性は「正しい正しくない」の問題ではなく、「文化的背景による好み」の問題
- スタバは人との差別化を感じさせてくれる空間にしている
- 社会的影響力を認知して選択を行うことで自分が幸せになれる。もし、影響されやすいのであれば一番最初に選ぶことが大事
➌あいつらがやっているならやめておこう
- アバクロは自社ブランドを着てもらわないようにお金を払っていた
- 人を選ぶときは見た目などの情報だけでその人がどんな人かを予測する
- ベビーシッターが「ハーゲンダッツ」を買うか、「安物のアイス」を買うかでその人に頼みたいかが変わる
- アオガエルは自分よりも大きいオスがテリトリーに入ってきたらわざと低い声で鳴いて自分を大きいカエルだと思わせるし、人間も同じように同窓会にベンツを借りていったり、大きく見せる行動をとる
- 自分を大きく見せる行動を全員がとりだすと意味が変化していく
- アウトドア好きが来ていた「ノースフェイス」の服も、みんな着だすとアウトドア好きに見えなくなってしまう
- 好きなインディーバンドのTシャツを着ることはメッセージを発するが、着る人が多くなってしまうと価値を失う
- 「レディースカット」という名付けられたサイズのステーキを大半の男は頼まないが、「シェフズカット」と名付けられた途端に頼めるようになる
- 人は他人が「何をしているか」だけではなく「何人がしているか」、「誰がやっているか」も意識している
- 黒人のコミュニティでは勉強で高い点数を取るだけで「白人のマネ」というようなレッテルを張られてしまう
- 科学で女性の研究者が少ないのは「科学=オタク」と認識があるから
- 違いが意識されるのは選択が人のアイデンティティに結びつくモノに限られる
- 機能面を減らせばアイデンティティを示す強力なシグナルとなる
- 例えば時刻が分からない時計やブレーキのない自転車
- コストをかけることがアイデンティティにつながる
- 例えば筋肉を増やしたり、何かに詳しくなったりすることは、糖質制限や勉強する時間といったコストを払っていることになる
- モヒカンにするコストは高すぎるが、それだけ持続的に価値を持ち続ける
- 安価な商品はブランドが特定できないが高価になるほどブランドロゴがついていたりする。しかし、さらに高価になると、ブランド表示は控えめになる
- ロゴが大きいものはコピーしやすく、マネされやすいので、詳しい人々はさりげないシグナルを好む
- 偽物を流通させることで消費者に新しいシグナルを求めるように促す
- 若者の流行を中年がマネしだしたら廃れてしまう
❹似ていたいけど違っていたい
- 人は目にする機会が多いものに自然に好感を抱く
- 人は馴染みのあるものに親しみを感じる一方で目新しいものを好むという矛盾した気持ちをもっている
- 毎日同じ服や食べ物ではつまらないと感じてしまう
- 新しいものに挑戦することは有用な情報を手に入れる機会となる
- 「クーリッジ効果」=オスは何度も交尾をした後、興味がなくなるとメスからアプローチしても交尾をしようとしたがらないが、違うメスがアプローチすると再び興味を示す
- 類似性が人気を生み出すのはそれによって新しいものに親しみの感覚がプラスされるから
- シンプルで新しいものは即時に訴える力を持つが飽きられやすい
- 複雑なものは熟するまでに時間がかかるがアピールは長続きする
- あまりに斬新だと親しみが感じられない
- あまりに親しみすぎると退屈に感じる
- 人は人と程よく違うことを選ぶ
- 友達と同じブランドを着るが、少しスタイルが違うものにする
- 同僚と同じ形のソファーを買うが、色が違うものにする
- 来年の流行は誰にも分らないが、でたらめに起こるわけでもない。
- 「黒」の次に流行る色は「ダークグレー」といってもそこそこ妥当
- 類似性と相違性をうまく組み合わせるのはイノベーションの管理にとても重要
- デザインとテクノロジーが組み合わさって、初めて消費者に認識される
- イノベーションだけでは評価されず、程よく違っていることを見せる工夫が必要
➎やる気に火をつけるもの
- 近くに誰かがいる方がパフォーマンスは向上することを「社会的ファシリテーション」と呼ぶ
- 犬は他の犬とペアになったほうが早く走る
- アリは他のアリがいると3倍も速く砂を掘る
- 課題が複雑になると、他人がいることでパフォーマンスが低下する
- 縦列駐車を人に見られていると難しく感じる
- 他人に後れを取っているということは、良いパフォーマンスを出すための動機づけとなる
- 節電を訴えるとき、「環境問題」や「節約効果」よりも「ご近所さんが節電している」と伝えることが一番効果があった
- バスケの試合は「前半で1点負けている」方が最終的に勝ちやすい
- 自分がずっと後れを取っていると感じるときは、逆にパフォーマンスが低下する
- テニスの試合では、バスケの試合と反対に前半で負けていると負けが多くなる
- 多くの企業は学校で採用されているのは「勝者がすべてもっていく」という評価方式
- この方式は勝ち目がないと思ってしまう人が増えてしまう
- 比較の対象を分割して少ない状態に保つことで自分のレベルと近い者同士で比較することができ、モチベーションを維持しやすい
- オバマの大統領選挙ではディレクター経験豊富な人材ではなく、ディレクター補佐などを登用した。彼らは少し遅れているという自覚をもっていた
- レンタカー会社は「自分たちはナンバー2だから頑張るのだ」と主張していた
●おわりに:社会的影響力を味方にしよう
- 貧困率の高い地域に住む子供は、言語能力やIQ、読解力などさまざまな面で損をしている傾向がある
- 貧困の少ない地域に移住したことで大人も子供もさまざまな面が大きく改善した
14歳からの社会学
➊<自分と他人>
- 昔は、クラスメイトから近所の大人も含めて「みんな仲良し」という時代だった
- 今は、近所の人の顔すら知らないことが普通
- 「みんな仲良し」といってもヒルズ族からニートといった格差社会が生まれている
- グローバルな視点から見ると、国と国の格差は縮まっている
- 「われわれ(みんな)」の定義は2つの条件が必要
- 1つ目は、「誰が『われわれ』か」ということについて全員が合意していること
- 2つ目は、「『われわれ』が生きていくためにこれが大切なんだ」という「コミットメント」がないといけない
- 現在は「われわれ」の線引きがとても難しくなっている
- 人が幸せに生きるには2つの条件が必要
- 1つ目は、「自由」であること
- 「自由」であるには「選択肢を知っていて、それを選べる。そして選ぶ能力をもっている」ことが重要
- 2つ目は、「尊厳(自尊心・自己価値)をもっている」こと
- 社会の文化や宗教によって自由を利用するチャンスは限られてしまう
- 1つ目は、「自由」であること
- 「多様性」が尊厳を支える
- 人間を社会的に成長させる循環、①試行錯誤する、②他者が認める、③「失敗しても大丈夫」の繰り返し
- 現代社会では②で認めてくれる他者(みんな)が誰だかわからなくなってきている
- みんなが分からないの問題から3つの人間のタイプが出てきた
- 1つ目は、「承認」を求めすぎるあまり、いい子を演じたり、反対に意見がいえなかったりするタイプ
- 2つ目は、失敗が怖くなり試行錯誤ができず、自由を失ってしまうタイプ(ひきこもりも当てはまる)
- 3つ目は、「承認」されない環境に適応して投げ出すタイプ。ひきこもりと違い、他者を必要としない(無敵な人のように凶悪犯罪を起こす人に当てはまる)
- 「人を殺してはいけない」というルールは実はない
- 兵隊や死刑執行人は矛盾してしまう
- 「人を殺してはいけない」というよりも「殺せない」ことが普通
- 「尊厳」を獲得するために他者から「承認」されて育ってきた僕たちは「自分が自分であること」の為に他者たちの存在が必要不可欠
- 知らない人が運転するタクシーに乗っていたり、知らない人が作ったご飯を食べられるのは、他者をなんとなく信頼する「共通前提」があるから
- 現在は「共通前提」を脅かす事件が起きる時代になってしまっている
- 「みんな仲良し」というのが難しくなってしまった現代では自分に必要な人間とだけ仲良くすればいいし、必要でない人間とは適当に付き合えばいい
- 「承認」が「尊厳(アイデンティティ)」をあたえてくれる。
- お金持ちになっても自分の人生に「承認」がなければ寂しく死んでいく
➋<社会>と<ルール>
- 昔は「共通前提」があったので「なあなあ」で済んだが、共通前提を脅かされてきた現在は「共通感覚」がなくなり、「共通のルール作り」をするように社会が変化した
- 昔はマナー違反をしている人に対して注意をする人も多かったが、「共通感覚」がなくなった今、「自分が思うように、みんなも思うはずだ」という支えがなくなり、注意する人が減った
- 「行為功利主義」=どんな行為を行えば人が幸せになるのかと考える
- 「規則功利主義」=どんな規則が人を幸せにするかを考える
- 偉い人が決めたルールが結果として多くの人を幸せにすることがある。それを推奨するのが「卓越主義的リベラリズム」という考え方
- みんなで決めたルールがいいルールだなんてあり得ない
- 民主的なルールで幸せになるには、みんなが「選ぶ能力」をもたなければならない
- 全員が幸せになれるルールを考えられる人を「エリート」と呼ぶ
- 大衆はエリートに専門的なことを任せて、それぞれが幸せになる道を考えることが、長い目で見て「選ぶ能力」を上げる方法
- ドイツやイギリスでは小学校高学年の時点で、エリートになるかを決め、ならない場合は専門的な訓練を始めてエリートを尊敬する
- エリートになることを諦めれば選択に迷ったり、競争に巻き込まれず、自己を卑下することはない
- エリートになれないことを引け目に感じない文化を「階級社会」といい、社会学では悪いイメージとして捉えない
- ドイツやイギリスでは小学校高学年の時点で、エリートになるかを決め、ならない場合は専門的な訓練を始めてエリートを尊敬する
- 「主意主義」=この世には理不尽や不条理が満ちているという考え
- 「主知主義」=人間の知識はすべておおえるという考え
- 社会学では、人が何かをしたときに、社会のせいだけではなく、「その人が意思したから」という意思を出発点にする
- ひさんな事件の「家庭環境が・・」といった話は前提だけであって、その人が何をするかは本人の「意思」による
- 意思はいつでも別の意思に変化することもある
➌<こころ>と<からだ>
- 「恋愛(こころ)」と「性(からだ)」をまとめて「性愛」と呼ぶ
- 社会には様々な形の性愛がある
- 「現実世界をまねしたゲームを楽しむ」というよりも「ゲームをまねした現実世界を遊ぶ」感覚になっている
- 性愛のハードルが下がり簡単にセックスするようになったが、強いきずなを築きにくい
- これまでは出会い、話をするようになって、手を握って・・と時間をかけていた分、強いきずなで結ばれていた
- 孤独死で一番多いのは中高年の男性で、リストラされお金を稼げなくなったとたんに、家族が離れてしまうのが典型的なケース
- 結婚は簡単だが、愛に包まれた関係を続けるにはスキルが必要で、経験することが必要
- 経験人数が多いほど、関係が薄いので経験値が低い
- 相手を入れ替え可能だと思う限り幸せになれない
- 相手がかけがいのない存在になるのは非日常の事件ではなく日常の「関係」の積み重ね
- 「カワイイ」「頼りがいがある」は単なる記号で入れ替え可能な存在
- 経験は「数」ではなく「深さ」
- 女子は「理解」を求めている
- 男子は「承認」を求めている
➍<理想>と<現実>
- 日本人は仕事に期待しすぎている
- 内紛などを経験していない日本は勝った側にこき使われたり、奴隷制のような仕組みをもったこととがない
- 歴史的背景から「仕事はお金をかせぐ手段で、他は好きなように時間を過ごす」という価値観を多くの日本人が持てない
- 昔と比べて地域に根差した仕事も減ったので、地域社会で大人との関りが減った
- そのおかげで若い人が世の中にどんな仕事があるのかが見えにくくなった
- 「近代過渡期(大量生産時代)」は新しく便利なモノをどんどん取り入れる時代で、「いい人生=いい労働者」という価値観
- 「近代成熟期(多品種少量生産時代)」は「モノの豊かさから心の豊かさへ」の時代で、「いい人生=いい消費をして生きること」に変化した
- 近代成熟期では「決められたことを集団でこなせる能力は役に立たない
- 「生きがい」や「やりがい」は賃金の代替案としてエリートが作り出したものなのかもしれない
- 自分にとって何が最低限あれば幸せなのかを考えて割り切ろう
- 会社は儲ける為にあって、儲けるのに役立たせるために「生きがい」をあたえる
- アイドルファンはファンになりたいという目的があってそれ合うように公務員の仕事を選んだ
➎<本物>と<ニセモノ>
- 必要な人間は「感染」をあたえてくれる
- 「役割」ではなく「人」の力が大きくなっている
- 同じ学校の先生でも社会を経験しているかしていないかで説得力が違う
- ものを学ぶときには「人よりも良くなりたい」という「競争動機」と「この人みたいになりたい」という「感染動機」がある
- 「感染動機」の方が知識がより身につくし、人格や内面を変化させる
- ミュージシャンは徹底的にコピーして、やがて自分のスタイルを作る
- 人には裏切られることを前提として信頼するし、信頼することで相手が変わり得る
- ルールを守るよりも「中身のつまった人間」の方がプラスになることもある
➏<生>と<死>
- 「死」について考えることは「何でも自分でコントロールすることが無駄」と自覚するチャンス
- 「自分がしんだあと、どういう風に語られるのだろう」と気にすることが「生」を決める
- 誰かが死ぬことで新しく生まれる出会いがある
- 「自分の人生は悪くなかった」と思えることが重要
- 誰も自分のことを知らない大自然の中では死は怖くない
- ありとあらゆるもの全体を「世界」
- コミュニケーション可能なものの全体を「社会」
- 「社会」だけしか知らないと、死んだ後にどう承認されるかが不安で未練が残る
- 「社会」で生きたことを幸せに思いながら「世界」の中で死ぬことが幸せなんじゃないか
➐<自由>への挑戦
- 人間の感じ方は社会によって変わる
- 物事はずっと前から因果関係から決まっていたという考えを「主知主義的世界観」
- 「因果」ではなく「意思」を出発点とする考えを「主意主義的世界観」
- 人が自発的な意思で社会を作り、その社会が人の意思を作る
失敗の科学
感想
実際に起きた事故を語り調で表現されているので、ストーリーとして読むのが面白かった。
1章
- 誰もが自分の失敗を隠したがる→自分自身の記憶からも無意識に消してしまい、気付くこともできない。
- 失敗があったとしても原因に気づかず、繰り返してしまうことを「クローズドループ現象」という
- 失敗は特定の人物を責めるための原因ではなく、貴重な学習なチャンスとなる
- 集中力が高まると時間感覚が麻痺する。
- 医療事故の場合、不測の事態に陥った際の担当医は簡単ではないが、ベストな解決法を模索していると時間があっという間に過ぎてしまい、患者さんが手遅れになってしまった。(看護師は時間の問題を把握していたが、上下関係から主張ができなかった。)
- 航空業界では、立場に関係なく発言したり、意見を受け入れるためのトレーニングを行ったことで事故率が低下した。
- 失敗を学ぶことがコスパが良い(失敗の責任と比較)
- 自分で「答えがわかっている失敗」と「答えがわからない失敗」がある。
- 「答えがわかっている失敗」はシステムの改善に役立つ。
- 「答えがわからない失敗」は発明や発見を促す。
- データからは発見できない失敗もある
- 何にでもあてはまるもとは科学ではない
- 星座占いは「間違い」がない。だからこそ多くの人が信じ込んでしまう。
- 失敗することが不可能な仕組みのモノは何からも学べないということ。
- 結果がわからなければ訓練や経験の意味はない。
- 1万時間ゴルフを練習すれば上達するが、暗闇の中で行っていた場合は改善するためのデータが得られないので上達しない。
- 成功の影には多くの失敗があり、それらの失敗を学ぶことが学習の近道にもなる。
- 失敗から学ぶには①システム、②スタッフの2点が必要
- システムを用意しても働く人のマインドセットが失敗に対して消極的だと機能しない」
- 情報はわかりやすい形にならなければ浸透しない
2章
- 警察や裁判官はクローズドループに陥りやすい
- もし、刑務所送りにした犯人が無実の人間だったら?一生を台無しにしてしまったら?
- DNA鑑定が捜査に導入されてから多くの冤罪が証明された。
- 人は失敗を認められない
- カルト予言をしていた人の予言がはずれても信者はさらに信仰をする
- 「予言のおかげで未来が変わった」など事実の解釈を変えてしまう。
- 「認知的不協和」から解釈を変えることで自分は正しい人間だと思いこめる。
- 自分の間違いを認めるのはかなり難しい。
- 努力や思い入れがあるほど認知的不協和にハマってしまう。
- 組織の上層部に行けば行くほど、失敗を認めなくなる。
- 記憶は変わってしまう。
3章
- 初めから正解を考えるよりもあえて失敗を繰り返して正解に近づけたほうが良い場合もある
- 生物の進化は計画されるものではなく、世代を重ねて変化していく。
- 自由市場における企業の倒産も進化のプロセスと同じで、必要な結果である。
- 誰でも失敗しない、成功するという市場はうまくいかない
- 科学ではなく、実践や経験から発明されることもある。
- 量をこなすことが重要。
- 「素晴らしいミュージシャンになるために、ひどい曲をたくさん演奏しよう」
- まず価値があるのかを見極めることが重要
- 「dropbox」は最初からサービスを作らずに、使用感がわかる動画を作成してユーザーの反応をみた
- RCTという検証試験をすることで制度の高い検証することができる
- RCTはテストを「xxを行うグループ」と「xxを行わなかったグループ」を比較して検証すること
- WEBサイトのデザイン変更で売り上げがあがったように見えたが、デザインを変えていなかった場合でも売り上げがあがったかもしれない
4章
- RCTは規模の大きい問題では実施が難しい
- アフリカへの経済援助の効果で実施しようと思ってもアフリカ大陸は一つしかない
- 問題を小さく分解して実施するのが「マージナルゲイン」という考え方
- アフリカへの経済援助の政策を分解し「教科書配布」をアフリカ内の学校で比べる
- あるスポーツチームは「選手が使用する枕の固さ」「ユニフォームを洗う洗剤の種類」など、分解してより良いパフォーマンスが得られるデータを集めている
- RCTは「xxを得るグループ」と「xxを得ないグループ」に分かれるため、平等ではないという批判があるが、答えのないまま進み続けても誰も助けることはできない
- googleは年に1万件以上のRCTを行っている
- デザインに使う青色の変更に41種類の青色をRCTテストを実施した結果、青色の変更のみで年間200億円の利益が生まれた
5章
- ミスは、①学習のチャンス、②ミスに対して責めないオープンな組織文化を構築するチャンスをもたらす
- 規律の厳しいチームではミスの報告件数と実際に発生しているミスの件数が異なっていた
- ミスに対しての厳しい処置はスタッフにとって「貴重な情報は隠しておけ」というメッセージになる
- 規律の厳しいチームではミスの報告件数と実際に発生しているミスの件数が異なっていた
- 「責任をとらなければならないミス」と「偶発的なミス」の境界線の線引きは不可能
- 「処遇を判断している責任者をスタッフが信頼しているか」が一番重要
- 人間の脳は一番単純で直感的な結論を出す傾向がある
6章
- 失敗はかならず成長に必要なものと考える「成長型マインドセット」
- 生まれつきの才能や知性が成功を左右すると考える「固定型マインドセット」→成長が遅い
- 成長型マインドセットの人は自分の欠陥を晒すことに抵抗はなく、合理的に諦める
- 日本は失敗が不名誉なものと見なされる傾向が強く、起業する人の割合が少ない。
- イギリスとアメリカでは数学を「できる」か「できない」かのどちらかという考えが一般的で習熟度が低い
- 逆に数学はやればできると考えている中国や日本では習熟度が高い
終章
- 自分が間違った判断をすることがあると受け入れる
- 自分が間違った方向に進んでいると知る手段を作る
- 客観的なデータを参照して自分の判断の是非を問う機会を作る
- 「事前検死」という手法はすでに「失敗したプロジェクト」として理由を考察すること
行動力を向上させたい
やらなければならないことがあっても、スマホやPCで無駄な時間を過ごしている自分が嫌になってきた。
そんな自分を変えたいと思い、参考になりそうな動画や本で行動力を向上させるためのノウハウを調べた。
知識として得ただけでは何も変わらないので、「自分の行動を変化させる為のマニュアル」として本記事にまとめることで今後も充実した人生を過ごすための一歩目としたい。
環境編
誘惑を遠ざける
シンプルに自分をダメにしてしまうモノは生活から排除してしまえば良い。
自分の場合はYOUTUBEやゲームが大半を占める。かといって、PCやスマホは必要な作業でも使用しなければならないので、排除するわけにはいかない。
そこで、自分が誘惑から離れられるように設定を変更することにした。
●Iphoneの設定
時間を確認するついでにロック画面をみたとき、なんとなくホーム画面に行ってしまい、1ページ目にあったTwitterやInstagramを開き、時間を無駄にしてしまっていたので、うっかり開いてしまうことがないように1ページ目にはアプリを何もいれないようにした。
2ページ目には生活に必要な電子決済や地図など、
3ページ目にはLINEや電話といったコミュニケーション、
4ページ目にその他のSNSなどを入れている
●PCの設定
ブラウザは普段クロームを使っているが、お気に入り欄からYouTubeなどにたどり着いてしまう為、クロームの存在自体をデスクトップから削除して遠ざけるようにした。
必要作業にはEdgeを使用する。
7時間寝て、起きる
●寝る
基本的にPCの前で一日を過ごしており、夜更かしがずっとやめられなかったので、タスクスケジューラで指定した時刻で自動的にPCがシャットダウンされる設定にした。
目のケアで目薬を差してから寝る。
●起きる
目覚まし(iphone)はベッドから手の届く距離に置かない。
日光が少し入るようにカーテンを少し開けておく。
目覚ましを止めにベッドから出たらノンストップでシャワーを浴びる。
やる気が出そうなものを生活に取り入れる
家の中でも起きたら部屋着ではない服を着る。
赤色のものを見るとやる気が出るらしいので、視界に入るようにする
(赤色が良いと聞いて買った絵)
他人に自分が計画していることを伝える
伝えることでやらなければならないという自分へのプレッシャーをかけることができる。
他人がもし、経験者だった場合、効率的に進めるアドバイスがもらえるかもしれない。
もしかしたら助けてもらえるかもしれない。
マインド編
ゴールではなく、プロセスをイメージする(やるべきことを逆算する)
ミートソーススパゲッティを作りたいのであれば、ミートソースを食べることよりもスーパーでどんな食材を買うべきかといったプロセスからイメージを始める。
そうすることで、すべき行動が明確化して実行しやすい。
(ゴールばかりイメージしても具体的にすべきことがわからない)
タスクの完了のみではなく、取り組み開始のデッドラインも設ける
人間は締め切りいっぱいまで使ってしまう習性がある。
デッドラインが1週間後、1か月後でもクオリティは変わらず、「あと1日あれば」と全員が言う。
タスクに関連しそうなことでも、本質的な作業以外は行わない。
デスクでやることがあったとしても、デスク周りの掃除を始めない。
関連作業をすることは罪悪感の少ない逃避行動になっている。
関連した逃避行動をとらないように、環境を整えておく。
タスクは溜めない。
少しでも汚くなっていることに気づいたら、その瞬間に掃除しておく。
メールは見た瞬間に返す。
1分だけ必ずやってみる。
何かを始めると続きがしたくなるという人間の習慣を利用してまず1歩を踏み出してみる。
ペナルティを設定する
デッドラインを守れなかったら、お金を払う。
誰かに伝えると組み合わせないと自分に負けてしまうと思うが。
実践編(自分用)
寝る前
・やらなければいけないことをtrelloにリストアップする
・タスクにそれぞれデッドラインを設定する
起きたら
・シャワーを浴びる
・必ず外にそのまま出られるような服を着る
・昨日リストアップしたタスクをひたすら消化する
とりあえず走り書きでダラダラと書いてしまったので、何度も繰り返し更新していく
映画「グリーンブック」
アマゾンプライムで鑑賞。
感想
黒人のピアニスト(ドクター・シャーリー)が白人の主人公(トニー・リップ)よりも社会的地位が高く、教養の差があるという構図が今までに見た人種差別をテーマとした映画になく、珍しいと感じた。
個人的には人種差別というよりも友情がメインのテーマだと感じた。
人種が同じだとしても、生まれた環境や生い立ちが違うだけで理解しあえないこともある。そういった問題も含めた立場の違う人間の関係性や差別問題さえも取っ払ってしまうトニーの芯のある単純な考え方とドクターの自らは差別を受けつつも教養があり繊細な考え方のやりとりがどのように交わっていくのかというストーリーでよいコントラストとなり描かれていた。
黒人差別では黒人の暴力性などを白人が訴えるシーンをよくみかけるが、ドクターは差別行為に対してもじっと我慢し、言葉や知性で抵抗しなければいけないことを白人であるトニーに逆に訴えていたシーンが響いた。
ドクターが差別行為を受けるシーンでは、社会的に成功していたり、知名度に関わらず「黒人である」という理由で、差別行為を受けていた。
また、その状況では「差別行為」ではなく、「伝統的なしきたり」と表現されていたが、本当に当時の人々は「しきたり」として差別行為を行っていたのだろうか。
その境界線が曖昧にみえてしまう程、当然に行われていたことと、自分が理解できない感覚なのだと感じた。
また、終盤では黒人同士でも悪事を働こうとする2人組、差別行為を一切せずにタイヤのパンクを教えてくれて、手伝ってくれた警察官が登場し、人種に関わらずに善人や悪人がいるというシーンがあった。
映画内では別のフラグ回収としてのシーンとして使われていたが、上述の印象を与える為によく考えられたシーンだと感じた。
最後のシーンでは主人公の妻(ドロシー)が「手紙をありがとう」というシーンがある。
これはドロシーがドクターのことをトニーのために手伝ってくれた大切な人間として受け入れたということで、人間関係というのは当事者同士だけではなく、その周りにいる人間も大きな影響を与えていくのだろうと感じた。